tsukitnskの本棚

令嬢系中心にTLやラノベを読んでいるブログ

大事なことを伝え合わないままでも、想いだけはずっと繋がっているふたりのお話

本の情報

  • 作者:マチバリ
  • イラスト:緒笠原くえん
  • 出版:夢中文庫/夢中文庫プランセ (2022/8/10)

あらすじ・主な登場人物

元伯爵令嬢のシーラは、冤罪をかけられて爵位を返上した父親と共に辺境領に身を寄せていた。そこへ視察にやってきたのは、元婚約者であり、3歳上の第二王子のアラン。ひょんなことからシーラはアランの「夜伽役」を務めることになってしまう。

感想

読んでいる最中の感想としては、シーラは「夜伽役」を命じられた際に、アランの"女遊び疑惑"を聞いて、よく幻滅しなかったなあと思った。

婚約者時代から、言葉を多く尽くすわけではなくとも、穏やかに気持ちがつながっていたふたり。だが、謀略に嵌められてシーラの父親が失脚することになった際、アランは何も手を打つことができず、気づいたら婚約破棄が成立してしまっていた。アランは伝える努力をしないままにシーラを失ってしまったことを悔やみ続けていた。
後悔が負い目になり、やっと再会することができても、肝心なことをアランは伝えられていない。そのおかげで相変わらずすれ違ったままに、関係だけが進んでしまう。ただ、一貫して互いへ向ける想いは揺らがないのは読者としては安心ポイントである。

 


月の本棚 (月) - ブクログ